
現代社会では、生活していくには働く必要があります。
働いているうちに、たくさんの嫌なこと、辛いこと、苦しいことがあるでしょう。
働き始めた当初は、胸に希望をいっぱい抱き毎日を過ごしていたはずなのに、いつの間にか朝仕事に行くのが憂鬱になる。「早く週末が来ないかな」と日々を過ごし、日曜日の夕方になるとため息がでる。
あなたも経験したことありませんか?
わたしたちは、一生この状態を繰り返しながら働き続けなければいけないのでしょうか?
もしかしたら、考え方ひとつでかえられるかもしれません。
今回は、「われわれは、誰のために、何のために働くのか?」を一緒に考えてみましょう。
この記事を読むことで、あなたの仕事に対する考え方がかわるかもしれませんよ。
今回の内容の前提ですが、この世界で一番大切なもの、それはあなたの体と精神の健康です。
心や体を壊してまで優先すべき仕事は、この世界には存在しません!
残念ながら、我々が働く医療業界では、ブラックな職場環境が蔓延しています。
今の職場がどうしても辛い場合は、転職することは悪いことではありません。それはしっかり認識しましょう。
≫ まずは”仕事”に対する認識を改めよう
|意識改革が必要な理由
仕事に対するモチベーションを失ってしまうのはどんな時でしょうか?
主に、以下のような理由が挙げられると思います。
- 自分がやりたいと思っていた内容ではなかった。
- 職場の人間関係(上司・同僚)が嫌
- いつまで経っても評価されず、達成感がない
- 給料が安い
- 勤務時間が思ったより長い
これらの多くは、あなたの“仕事に対する期待“が裏切られたことにより発生しています。
例えば、「もっとやりがいのある仕事だと思っていた」、「努力すれば評価されるはずだ」といったものです。
結局、私たちは自分の考え方しかコントロールすることはできません。自分ができることを継続するしかないのです。
まずは、仕事に対して過度に期待するのはやめましょう。
|残酷な現実 ”仕事において自分の代わりはいること” を直視する
さらに残酷な現実を伝えなければなりません。
それは、”仕事においては、あなたの代わりはいくらでもいる”ということです。
誤解しないでいただきたいのは、仕事という面では、社会においては、あなただけでなく、私を含めたほぼ全ての人間に代わりはいます。
例えば、有能な指導者、一流の経営者などが、急な事故・病気で亡くなったとしても、翌日に国家が崩壊したり、会社が倒産したりすることはありません。
しばらくすると何もなかったかのように世界は続いていきます。
もちろん、そこから政治や経営が徐々に傾くことはあるかもしれません。でも、その場合はしっかりとした人材が育たなかったという問題が大きいでしょう。多くは組織の構造自体に問題があります。
事実、誰もが認める世界最高レベルの経営者スティーブ・ジョブズでさえ、亡くなったあとアップルが倒産することなく続いていますよね。
残酷な事実かもしれませんが、”仕事においては自分の代わりはいる”ということはしっかり認識しておきましょう。
|自分の人生を楽しむことに集中すべき
自分の考え方をコントロールすることしかできないとすれば、仕事を楽しいものとして認識させるしかありません。
でも、それよりもっと大事な事実があります。
あなたが毎日無理して働き、肉体・精神を壊してしまった場合、必ずあなたの家族・知人は心に大きな傷を負います。
何度も言いますが、心や体を壊してまで優先すべき仕事は、この世界には存在しません!
≫ 働き方には段階がある

「自分の代わりはいくらでもいる」なんて言われてしまうと、ますますモチベーションが下がるかもしれません。
でも大丈夫です。少しずつ仕事に対する考え方を変えていきましょう。
まずは、“何のために働くか“には段階があることを知ってください。
|ステージ① “何の目的もなくただ働いている段階”
何も考えずに働いていると、ただ毎日を過ごすことだけが生きていく目的になってしまうことがあります。
このような方とっては、仕事はただの嫌なことに過ぎず、仕事中に周囲に興味を持つことも、自分のことを客観的に見ることもなくなります。
この状態だと仕事は楽しくないことと感じるのは必然でしょう。もちろん嫌なことを毎日しなければいけないので、モチベーションの維持は不可能でしょう。
ブラックな職場環境であることも自分では気づきにくくなり、心身にとっても非常に危険な段階です。
|ステージ② ”生活のため、家族のために働く段階”
多くの方はこの段階で働いていると思います。
生きていくためにはお金は重要です。それは間違いない事実でしょう。
しかし、お金を稼ぐためだけに働いていると容易にステージ①の段階になります。
また、家族のために働くということは素晴らしいことだとは思いますが、「誰かのために働き続けないといけない」となってしまうとモチベーションを維持していくのは困難でしょう。
職場で嫌なことがあったりすると、あなたの大切な家族に「誰のために働いていると思っているんだ!」など、心無い言葉をぶつけてしまうことがあるかもしれません。
こんなことが続いて結果的に大切な人間関係を壊してしまっては、何のために働いていたのか本末転倒です。
|ステージ③ ”自分が楽しみを得るために働く段階”
自分が楽しく生きるために仕事をする、理想的な段階です。
基本的に、自分の好きなこと、楽しいことをしているという意識で働いているため、モチベーションが下がることはほとんどありません。モチベーションという考えがない方もいらっしゃいます。
ステージ②からこの段階に到るためには継続したトレーニングが必要ですが、一旦この段階まで到ると下の段階に落ちることはあまりありません。
あなたが楽しんで生き生きと仕事をすることは、結果的に周りの人を幸せにするでしょう。家族もきっと、そんなあなたをサポートしてくれるはずです。
≫ 問題修正のためにやるべき習慣

理想的な段階が「自分のために働くこと」なのはなんとなくわかりましたか?
でも、それには幸運な人や特別な才能がある人だけしか到達できるはずがないと思っていませんか?
そんなことはありません。 「仕事に対する興味」があれば誰でも到達できます。興味・関心を取り戻し、ひとつずつ問題解決することができれば、楽しいという気持ちになります。これが仕事への「内発的動機づけ*」となります。
* 自分の内面から発生した興味・関心に動機づけされている状態。
内発的動機づけのほうが高いパフォーマンスを長期間維持できるそうです。
参考文献;
医療業界を志した人の多くは、多かれ少なかれ興味をもってこの業界に入ったと思います。
今は嫌なことが続き、そのことを忘れているだけに過ぎません。
適切な習慣を身につければ、必ず仕事に対する興味を取り戻すことができるはずです。
では、どんな習慣を身につけるべきか考えてみましょう。
|自己評価の改善
まずは下がっている自分の評価を改善させましょう。
人間は「できるようになった事実」よりも、「できないという問題」ばかりが気になってしまいがちです。
仕事でできないことがあったり、怒られたりして、「自分にはなんでできないんだろう。」と落ち込むことがあるかもしれません。
でも、働き始めた初日のあなたが、今のあなたを客観的に見たら、きっといろいろできる先輩に見えるはずです。
申し送りができるようになった。夜勤ができるようになった。機械が扱えるようになった。処置ができるようになった。
これらのことは、間違いなくあなたがこれまでにできるようになったことです。
まずはできるようになった自分を認めてあげてください。
|ストレスマネジメント
次に、日々のもやもや、イライラを貯めないことに集中しましょう。
一旦自己評価を改善させても、日々のストレスにより簡単に自己評価が下がってしまうと思います。
そういった場合は、まず自分のカウンセラーになりきって自分の精神状態を客観視してみましょう。
これはメタ認知と言われる能力です。
メタ認知(英:Metacognition)とは、「メタ(高次の)」という言葉が指すように、自己の認知のあり方に対して、それをさらに認知することである。
wikipedia
この能力を鍛えることで、感情がコントロールしやくなるうえ、現在の問題を把握し解決するきっかけもつかみやすくなります。
きちんと問題を認識してから、問題を解決することに目を向けましょう。
繰り返しになりますが、我々がコントロールできるのは自分の考え方だけです。
影響力が及ばない周囲の状況を悲観するのはやめましょう。
| 仕事に対する興味を取り戻すには、文章に書き出してみるのが有効!
これらを鍛えるためにおすすめなのが、「書き出す習慣をつけること」です。
継続的に頭の中に浮かんだ考えを文章化するだけで、これらの能力を鍛えられます。
私は、毎日バレットジャーナルを作成し、その中で気になったことを改めてメモ書きするようにしています。
*バレットジャーナルに興味がある方は、ぜひ調べてみてください。
書き出す習慣を身につけると、自分の考えていたことがまとまり、非常にスッキリします。
いきなり両方やるのは大変なので、まずは1週間に1回程度メモ書きする時間を作ることをおすすめします。
具体的な方法に関しては以下の記事も参考にしてください。
≫ モチベーションを回復!自己評価を改善させるかんたんメモ書き5ステップ
≫ 仕事を楽しいコンテンツにするかは考え方次第
仕事は多くの人にとって人生の大部分の時間を費やすコンテンツです。
起きている時間の1/3以上は働いており、一般労働者の生涯労働時間は約10万時間と言われています。我々医療従事者はそれより多くなるでしょう。
このコンテンツを、有意義なコンテンツにするか、ただ消費するだけのクソコンテンツにするかは考え方次第かもしれません。
最後にみなさんに私が好きな言葉を伝えたいと思います。
「仕事は人生の大部分を占めます。だから、心から満たされるためのたった1つの方法は、自分がすばらしいと信じる仕事をすることです。そして、すばらしい仕事をするためのたった1つの方法は、自分がしていることを愛することです。もし、愛せるものがまだ見つかっていないなら、探し続けてください。立ち止まらずに」
2005年6月 スティーブ・ジョブズ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
なるべく多くの記事を更新したいと思いますが、緊急手術などが立て込むと更新が困難になることがあります。
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