
「いまのままだと将来、お金で苦労するんじゃないか。」
そんな漠然とした不安で悩んでいませんか?
数年前に「老後2000万円問題」が話題になりました。わたしたちは常に、お金に対する不安を抱えながら働いています。
2019年に、金融庁の金融審議会「市場ワーキンググループ」の試算に基づく発表から起きた問題。
夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯が、老後30年生活した場合に、約2000万円が不足する可能性があると報告した。
(不足内訳は、月5.5万円✕12ヶ月✕30年=1980万円)
実はその不安は知識不足からきています。本来なら働き始めたらまず、お金に対する正しい知識を学ぶべきです。
お金についての知識や判断力のことを金融リテラシーといいますが、金融リテラシーの教育しないのは、医療業界のとても大きな問題です。
でも、勉強するのは今からでも遅くはありません。この記事で、社会人として最低限知っておくべき、お金についての常識を学びましょう。
この記事を読むことで、金融リテラシーが増え、将来の不安がきっと減るはずです。
参考図書;
Contents
≫ 節税、資産運用、資産防衛について勉強しよう

|節税
金額を10%の誤差以下で把握している方は問題ありません。でも、多くの人はきっとわからないと思います。
所得税は累進課税(所得額に応じて税率が上がる)のため、稼げば稼ぐほど税金が増えていきます。そこからさらに、住民税や各種保険料が引かれます。

このため、
- 年収400万円の方は、手取り額が約310万円(-90万円; -22%)
- 年収800万円の方は、手取り額が約590万円(-210万円; -26%)
- 年収1200万円の方は、手取り額が約850万円(-350万円; -29%)
と、年収に占める税金の割合が増えていきます。
税金が増えることは知っていると思いますが、改めて考えてみると4分の1も天引きされるって、ひどくないですか?
何の対策もしていないのであれば、節税の基礎知識を知るだけで年間数万円の節約になることもあります。
|資産運用
10年ぐらい前までは、コツコツと銀行に定期預金をし続け、退職金と貯蓄で悠々自適の老後を過ごす、というのが日本人の王道でした。
でも現在は、信じられないほどの低金利が続いています。
銀行だと利率は、普通預金で0.001%、定期預金でも0.002%程度です。何も考えずに貯蓄していては、まずお金は増えません。
さらに社会構造も急速に変化しており、終身雇用が維持できなくなると言われています。 わたしたちが働く医療業界も、一生雇用が維持される保証はありません。
もし国民皆保険が維持できなくなったりしたら、患者が来ない病院は閉院するかもしれません。その時、病院はあなたを守ってはくれません。
自分や家族の将来は、自分の力で守るのです!!
|資産防衛
わたしたち医療従事者は、金融リテラシーが低く、簡単に騙せると思われています。わたしたちから資産を騙し取ろうとする悪いひとたちは、一見親切そうにわたしたちに近寄ってきます。
甘い言葉に騙されてお金を失ってしまうと、取り戻すことはとても難しくなります。なにせ相手はその道のプロです。
そういったプロの世界では、わたしたち、特に医師は「カモ」とされているようです。
不動産業者の営業マンから狙われやすい職業の一つは医者だ。「高収入なので税金が高いですよね? マンションをローンで買えば税金は半分以下になりますよ」「自己資金はいりません」。こうしたトークに乗せられ、普段の勤務が忙しすぎてあれこれ考えるのが面倒になり、「プロに任せよう」と判断してしまう。ところが、いざフタを開けてみたら節税どころではなく、たいへんな状況に陥ってしまっている場合がほとんどだ。
「投資マンションにカモられた人」が見た地獄 -東洋経済オンライン
お金の心配があると、
- 仕事に集中できない
- 生産性が落ちる
- お金を稼ぐためだけに働くようになり、仕事自体が楽しくなくなる
このように全くいいことがありません。
≫ 「節税」のポイント

|使える控除はすべて活用すべし
みなさんもたぶん、配偶者控除や生命保険控除、住宅控除などは、年末調整で提出しているでしょう。
意外と見落としがちなのが、医療費控除です。
医療費控除には、レーシック手術やインプラント、また不妊治療や差額ベット代、病院までのタクシー代と、かなり幅広い項目が含まれます。対象になるかわからない時は、お住まいの地区の税務署に問い合わせてみましょう。
「忘れてて申請しなかったよ…」という方も、過去5年間は遡って確定申告できます。領収書があるか机を漁ってみましょう。|ふるさと納税は超オトク!
もし使っていないなら、今すぐ始めてください。今(2021年12月)なら、今年の限度額を使い切れます。
ふるさと納税は、好きな市町村に納税して返礼品をもらい、翌年の所得税・住民税から控除が受けられる制度です。
当サイト内では節税という表現に統一します。
以下の2点にだけ注意すれば、ほぼデメリットはありません。
- 不要な返礼品をもらうと2000円がムダになる →2000円でもムダはムダ
- 6市町村以上に納税すると、確定申告が必要になる →確定申告はめんどくさい
この記事でもっとも覚えてもらいたいことは、
やってないなら
すぐやろう
です。
≫ 「資産運用」のポイント

|銀行預金と積立投資の最大の違いは利率
多くの銀行では、普通預金で0.001%、定期預金でも0.002%程度です。
これに対し、リスクはあるものの、インデックス投資であれば長期的に3%以上のリターンが見込めると言われています。
これがどういうことかというと、

金融庁のHPで計算しました。
毎月3万円を30年間、利率0.002%で定期預金をつづけた場合、元本1,080万円は、3,000円しか増えません。
30年で3000円って…。小学生のお小遣いですか?

次に積立投資した場合を考えてみましょう。
毎月3万円を30年間、利率3%で運用すると、元本1080万円は、1748万円に増えます。その差はなんと668万円です!
同じ金額を貯蓄していても、銀行と投資ではこんなに違います。
わたしはこの事実を知った時に、
なんでもっと早く教えてくれなかったんだ!! と思いました。
ちなみにリスクは「危険性」と訳されてしまうため、投資に抵抗があるひとも多いかもしれません。
投資においては、リスクとは危険性のことでなく、収益の振れ幅のことです。「リスクが高いということは、全て失う可能性があるのでは?」というのは誤解です。


|つみたてNISAをはじめよう
投資で注意するポイントは以下の3点です。
- 生活資金に余裕がないと、価格の下落に耐えられない(精神的に)
- 価格が下落しているときに売ることで損をする
- 特定口座*の場合、売却するときに利益に20.315%が課税される
* 特定口座とは、投資家のかわりに銀行が取引の申告や納税手続きを行ってくれる口座のこと。源泉徴収ありの設定をしておくと確定申告が必要ない。
これに対し、つみたてNISAを利用するとこの3点はほぼカバーできます。- 少額からつみたての設定ができるため、家計を圧迫しにくい
- 積立の設定を自動化できるため、売買に迷いにくく、長期運用しやすい
- 年40万円までなら、20年間の運用・分配金が非課税

つみたてNISAがどういうものかを、簡単に説明します。
たとえば、40万円運用して、20年後に140万円になっていたとします。100万円の利益が出たことになりますね。
この時点で売却すると、特定口座だと約20万円が税金として引かれますが、つみたてNISAの場合はこれが非課税になります。
あなたも面倒がらずにつみたてNISAをはじめてみましょう。
≫ 「資産防衛」のポイント

|投資には必ずリスクがある
投資の神様と呼ばれている、ウォーレン・バフェットの運用利回りは年利約20%といわれています。そのウォーレン・バフェットでさえ、数々の失敗をしてきています。投資にはリスクがつきものです。
年利20%だと、約3年で資産が倍になります。神様と呼ばれるようなひとでも、ある程度のリスクのもと、3年かかって資産を倍にするわけです。
ですから「元金保証」、「月10 %以上の高利回り」、「毎月高額配当」こういったキャッチフレーズで勧誘してくる金融商品は、ほぼ100%詐欺です。
これをちゃんと認識しないと騙されますよ!
|不動産投資はやらないほうが無難
投資歴が長く、しっかりとした知識と経験があるひと以外は不動産投資はやめましょう。
きちんと勉強して、時間と労力をかければ不動産投資でお金を稼ぐことは可能です。
でも以下の3つの理由で、医療従事者に不動産投資はおすすめしません。- 時間と労力がかかりすぎて、一般病院にフルタイム勤務していると不利すぎる
- その道のプロが非常に多く、勉強して相当慎重に計画しないとまず勝てない
- ここ数年は、不動産価格が高騰しており物件購入のタイミングが悪い
とくに電話勧誘するような、ワンルームマンション投資はほぼ100%クズ物件で損をします。1000万円を超える損失は、勉強代としても高すぎます。
わたしは本を読んだり、セミナーを受講した結果、不動産投資は自分には面倒すぎると感じました。今後もきっとはじめることはないでしょう。
≫ 将来のために勉強し続けよう
資産運用・資産防衛は、個人個人で最適な方法が違います。また世間の経済状況や時代背景でも、効率的な方法が変わっていきます。
大切なことは、興味をもって勉強し続けることです。
もし資産運用で迷うことがあれば、ひとりで悩まないで近くのひとに相談してください。できれば資産運用に詳しいひとが望ましいですが、詳しくないひとからでも客観的な意見をもらいましょう。
相談できるひとがいないなら、納得できるまで調べましょう。本を1冊読んだり、インターネットで多少調べるだけでも、何もしないで決断するよりマシです。
こちらの本は、とても読みやすく勉強になるのでおすすめです。ぜひ参考にしてみてください。
金融リテラシーは、武器にも防具にもなります。がんばって働いて貯めた資産は、自分で増やして守りましょう。
あなたのお金についてあなた以上に本気で考える人はいない。
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え ジェイエル・コリンズ著
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
なるべく多くの記事を更新したいと思いますが、緊急手術などが立て込むと更新が困難になることがあります。
参考になったと思ったらコメントやSNSで拡散おねがいします。更新する励みになります。
記事で分かりにくいことがあれば、メールやコメントでご指摘下さい。記事を修正したり、別記事を作成したいと思います。
Twitterもやっておりますのでよろしければ@cvsurgeonblogでフォローをお願いいたします。
コメントを残す