
毎日、医学の知識や業務の内容を詰め込むことばかりになっていませんか?
確かにそれは重要なことですが、医療に必須な能力であるコミュニケーション力の訓練が不足しているように感じます。
医療業界のみならず、人間関係においてはコミュニケーション能力が高いに越したことはありません。
転職する場合にはもちろん新しい職場内でのコミュニケーションが必要ですし、今いる職場で上の立場になろうとするなら高いコミュニケーション能力があったほうが有利でしょう。
今回はコミュニケーションの基礎となる3つのスキルと、トレーニング方法を紹介します。
あなたもトレーニングを続ければ、必ずコミュニケーション力を高めることができます!!
Contents
≫ 医療者に求められる能力 - コミュニケーション力

|医療にコミュニケーションが必須な理由
医療の目的は、様々な形で人を癒やすことです(治療することとは限りませんね)。
そのため、必ずその過程には人間関係が介在します。
医療者間で情報を共有したり、他の医療者に状況を報告したり、あるいは患者さんへの対応が仕事の基本となるため、コミュニケーション力を高める訓練は非常に重要です。
実際に適切なコミュニケーションが医療過誤を減らしたり、医療訴訟への発展を予防すると言われています。
医療におけるコミュニケーション―なぜ,その患者は訴えないのか
看護教育 (0047-1895)48巻5号 Page403-406(2007.05)
コミュニケーションの段階で躓いてしまうと仕事の難易度が一気に上がります。
日常業務は問題なくこなせるのに、申し送りや報告が苦手っていうひと多いのではないでしょうか?
|苦手意識をもつのは個人の責任ではない
一度苦手意識をもってしまうと、それらが憂鬱になる、ミスしないように神経をすり減らす、精神的な疲労が増す、仕事が嫌になる、更に憂鬱になるという悪循環に陥ります。
すでにそういった状況であっても気にする必要はありません。
本来、コミュニケーション力を高めるためにはトレーニングが必要なのです。
あなたが悪かったり、他の人より劣っていたりするからでなく、そういった教育を受けさせてこなかったこの業界のシステムの問題です。
いまから少しずつトレーニングして苦手意識をなくしていけば、状況はきっと良くなります。
あきらめないで努力を続けていくことが一番重要です。
|コミュニケーション力を高めるために必要なこと
「適切なコミュニケーションを心がけなさい」と言われても急にはできません。
そもそも適切なコミュニケーションの基礎をつくるためには、以下の3つの能力が必要だと思います。
② 書き出す力を鍛えること
③ 説明する力を鍛えること
それらが必要な理由と、それぞれのトレーニング方法を考えてみましょう。
≫ 考える力

|全ての基礎となる「考える力」
考える力は全ての基本になるスキルです。
日常の多くのことは理由があって成立しています(理由がないことも多々ありますが…)。常に理由を考える癖をつけることは非常に重要です。
全てのことに必ず一度は「なぜ?」という理由を考える癖をつけましょう。
子供のころは色々なことに興味を持ち、周囲の大人が困惑するほど理由を尋ねていたはずなのに、大人になるにつれ人は好奇心を失います。
興味がない人とは積極的にコミュニケーションを取ろうと思いません。
他人に興味をもつことがコミュニケーションのきっかけになります。
また、常日頃から考える癖をつけておくと、問題が起きたときの状況把握が早くなります。
疑問に思ったことをその場で解決すれば、学習の効率と効果は最大限に高まるでしょう。必要性があることだからこそ、効率よく覚えられるのです。
|考える力のトレーニング
定期的に数分間の時間をつくり、A4用紙やタブレットに自分の悩んでいることを書きなぐってみてください。これは日常の悩みを解決し、生活を充実させるのにも非常に有効な習慣です。
定期的に文章を書くことで、心を静めたり、つらい出来事を乗り越える効果があることが、数々の研究からわかっているそうです。
将来の目標や夢の達成について文章を書くと、幸福度や健康度が向上する可能性があることが、Laura King氏による研究で明らかになっています(中略)。また、Jane Dutton氏と筆者の研究でも、ストレスの高い資金集めの仕事をしている人に数日間、自分の仕事にどれだけ世の中を変える影響力があるか、というテーマで日誌をつけてもらったところ、それから2週間にわたって1時間あたりの業務効率が29%アップしたという結果が出ています。
心理学研究でわかった「定期的に文章を書く」ことの効用 – lifehacker
オススメのメモ書きの仕方に関しては以下の記事も参考にしてみて下さい。
≫ 仕事へのモチベーションを回復!自己評価を改善させるメモ書きの仕方
参考文献;
≫ 書き出す力(ライティング)

|毎日使うのに疎かになりがちな「書き出す力」
電子カルテの記載や申し送りなど、文章を書く機会は意外と多いはずです。
相手に伝わりやすい文章を書けている自信はありますか?
ライティングスキルは一般の社会人にも必須のスキルと言われますが、我々の業界でも身につけておくとキャリアアップに非常に有効です。医療業界では多くの人がわかりやすい文章を書くトレーニングを受けていません。
次のプレゼンテーション場合も同様ですが、人に何かを伝えるポイントは「まず結論から始めること」です。
後半に結論を書いてしまうと、文章が長くなった時、大事なことが相手に伝わりにくくなるためです。
極力短い文章で伝えることも心がけましょう。ビジネスメールでは文章が長くなるほど読んでもらえる確率が減るとも言われています。
私も言いたいことが伝わりやすいように心がけています。まだまだトレーニングが必要ですが…。
|書き出す力のトレーニング
インプット、アウトプットを増やすことで効率よくライティングスキルを高めることができます。
メモ書きも最初はなぐり書きで構わないので、書き出してみて自分で読む習慣をつけましょう。
医師・看護師における読書の重要性に関しては以下の記事も参考にしてみてください。
≫ 読書は人生を豊かにする。医師・看護師に全力で読書をおすすめする理由
参考文献;
≫ 説明する力(プレゼンテーション)

|相手に伝わらなければ、どんなに素晴らしい情報も無駄になる
他の人に分かりやすく説明するって難しいですよね。
同業種間での申し送りはまだしも、他業種、特に医師への報告に苦手意識をもっている方は多いと思います。
つい前置きや現状に至る過程を説明したくなると思いますが、人の注意力はそれほど長く続かないため、ダラダラ話されていると興味を失ってしまい頭には入りません。
このため説明→結論の順番で話してしまうと、途中で「結局どういうこと?」とか「それって言い訳じゃない?」と感じてしまう人が多くなります。結論→その根拠の順番で話すように心がけてください。
|説明する力のトレーニング
少しハードルが高いように感じる方もいるかも知れませんが、プレゼンテーションのトレーニングにはたくさんの人と会話するのが一番効率的です。
そのために新しいことを始めてみましょう。たくさんの人との出会いはあなたの人生を必ず豊かにしてくれます。
また人は誰かに何かを説明する時に一番学習効果が高いと言われており、インプットしたことを身につけるにも最適です。友人やパートナーと一緒に趣味をはじめてみて、覚えたことをお互いに説明し合うとより効果的ですね。
ただ講義を受けているだけでは学習定着率が5%程度だが、覚えたことを他の人に教えると学習定着率が90%に上昇する。
ラーニングピラミッド - wikipedia
≫ コミュニケーション力を高めて毎日を充実させよう
コミュニケーション力を高めることで、あなたの価値は飛躍的に上昇するでしょう。
「自分になんかできない」とあきらめないで努力を続ければ、必ずあなたの仕事・生活を充実させるきっかけになります。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
なるべく多くの記事を更新したいと思いますが、緊急手術などが立て込むと更新が困難になることがあります。
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